久しぶりに小説を読みながら泣きました。
いい小説でした。
舞台は奈良県十津川村の廃校になってしまう小学校。
主要な登場人物
新任教師:黒田香澄(香澄先生)
6年生担任:仲村よし先生(よし先生)
6年生:十夢くん、愛梨ちゃん、優作くん
よし先生は毎朝、学校の運動場の鉄棒に上着をかけて運動して必ず上着を取り忘れる。
生徒や香澄先生からわけの分からない先生と思われています。
そんな変わり者の先生を中心に他の4人の視点で物語は進んでいきます。
舞台になる十津川村は奈良県の僻地で和歌山の本宮町などから近い場所にあります。
僕は新宮市に住んでいたので十津川という地名や小説内に新宮が出てくるのでより楽しく読めました。
6年生の3人は廃校に絶対反対、アイドルになるために早く都会に行きたい、勉強して都会に行く。
三者三様の思いを抱いて学校生活を過ごしています。
その三人がどう成長していくのか。
あらすじを全部書いてしまいたい。
けど・・・
僕の言葉より浜口さんの丁寧な描写でじっくり読んでもらいたい。
だから内容の説明はこのへんにします。
「先生って何ですか」
「学校って何のためにあるんですか」
「何で学校に行かないといけないんですか」
一度くらい考えたことないですか??
僕はあります。
問いの答えはいまだに分かりません。
子どもたちの夢を叶えるため。
社会に出たときに役に立つ力を身につけるため。
社会に出たときに困らないようにするため。などなど
いろんな答えが世の中にはあふれています。
そんな理想的な言葉を見るたびに自分は先生になって良かったのかと思います。
この物語の冒頭にも香澄先生が「先生になるべきだったのか、なってよかったのか」悩みます。
相談した叔父さんから言われる言葉があります。
「先生に向いている人は自分が先生に向いていないと思っている人だ。」
この言葉は終盤になって再び出てきます。
読んでみてください。
そこに答えがあるとはいいません。
でも、心に何か温かいものはきっと残ります。
先生になりたいと思っている人も先生が嫌いな人もぜひ読んで下さい。
良い小説に出会うと心が深く深呼吸してくれたように感じます。
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