『プレゼント』

 発刊直後から品切れ状態が続きあっという間に大増版された新潮文庫の『プレゼント』を読みました。

 7名の作家による書き下ろし作品なんですが、その7名が本当に凄いです。

 どの作品もベストセラー作家で、僕が最も好きな作家である伊坂幸太郎さんも参加されていました。

 全作品が文庫のための書き下ろしということだったので多くの人が発売直後から購入したのだと思います。

 どの作品も面白く、さすがの作品ばかりでした。

 作品それぞれの文体の特徴があって、いろんなリズムでページを進めることが出来ました。

 読みながら最近、こういった豪華な作家が1つのテーマで書くという作品が多い気がするなと思いました。

 読み手としては一気に好きな作家の詰め合わせを楽しめるのでとても嬉しいと思う反面、じっくりと作家の1つの作品を読みたいという気持ちにもなります。

 もしかすると出版業界全体として出版不況の打開策として新しい読者の獲得を目指しているのかもしれないなと思ったりもします。

 あの人のファンで手にとってみたけれど他の人も面白かったから、違う作品も読んでみようということはありえると思います。
 
 同時に1人でも十分に成立すると思える作家が短編の詰め合わせをするということは、作家だけで生活していくハードルはかなり上がっているのかも知れないなと勝手に想像してしまっています。

 僕自身も年齢を重ねるごとに本を読む時に知らない作家の作品を選択する可能性はどんどん低くなってきている気がします。

 出来るだけ人に勧められた作品は読もうと思うんですが、前に読んで面白かった人の作品と並んでいるとつい面白かったほうを選択してしまいます。

 せっかく読むなら面白くない本を読みたくはないというのは自然な感覚と思います。

 だから本屋大賞や直木賞といった受賞作は売れるんだと思います。

 楽しみ終わった後にふとそんな出版業界のことも考えてしまいました。

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