『「ことばで伝える」ができない子どもたち』石井光太

 石井光太さんの『「ことばで伝える」ができない子どもたち』を読みました。

 とても興味深く面白かったです。

 本文に出てくる極端な言葉を発する場面は学校生活で日常的に出会います。

 今、その言葉が必要!?となる場面で「だるっ」「死ね」「終わった」「うざっ」といった言葉を簡単に使っています。

 それでコミュニケーションが取れているように感じているのか、僕としては明らかに違和感を感じても特に何もないまま会話が続いている場面をよく見かけます。

 教員に軽く注意された時に簡単に「だるっ」と口に出してしまう生徒もいます。

 本人はきっと何が「だるい」と感じたのか、何がどうだるいと思ったのかを考えずに発していると思います。

 結果、教師に再度注意されて、周りから「はい、どんまい」「終わった」とか言われるんですが、その周りに対してまた「うざっ」と言って笑って終わる。みたいなとても薄いやり取りがよく行われています。

 自分の感情を整理して言葉にすることなく、簡単な言葉で終わらそうとする先にいい人間関係はうまれないと思います。

 他にも学校に行きたくないという話をしている中で気持ちを聞いても、「分からない」、「普通に行きたくない」、「なんとなく嫌」という表現をする子が多くいます。

 そうなってくると感情が分からないので教師も親もどう対応すればいいのかかなり難しくなります。

 自分の感情をことばにする力が結果として生きづらさを生み出しています。

 では実際にどんなことをすればいいのか、どんなことを注意しながら子どもと関わっていけばいいかが具体的に丁寧に書かれています。

 お金がないと出来ないことや、時間がないと出来ないことではなく、心構えや向き合い方で出来ることが多く書かれています。

 自分のことに置き換えてみると、ことばを大切に子どもと向き合ってきたと思っていますが、まだまだ出来ていないことも多くあります。

 また、最近では言葉を大事にしようと言い過ぎたからか、注意した時や自分にとって嫌なことがあった時に親の言い間違えや言葉の揚げ足を取る場面が何度かありました。

 言葉をきちんと理解しようとすることは悪くないことだけど、その言葉をどんな言い方で伝えるかもとても大切だということを話し合いました。

 そうやって子どもと言葉について丁寧に向き合いながら過ごしていけたらいいなと感じています。

 教師だけでなく子どもと関わる人に、読んでほしい1冊でした。



IMG_5808