『怪獣を解剖する』サイトウマド

 話題になっている漫画『怪獣を解剖する』を読みました。

 タイトル通り怪獣を解剖する物語です。

 怪獣を解剖する物語と聞くとSF的な内容や怪獣と戦っていく話を想像してしまうかもしれませんが、そういう話ではありません。

 突如あらわれた大型怪獣によって被害を受けるところから始まります。

 怪獣は自衛隊によってダメージを受けますが倒されるわけではなく姿を消しある日、突然現れそのまま死骸となります。

 その怪獣の解剖をするというのが物語の本筋になっています。

 生物学の共生の考えが入っていて、怪獣は有害物質ををエネルギーにできる可能性があるから怪獣が死亡した後も危険であっても研究が続いている。

 怪獣が危険なことが分かっていても次の危険を回避するために研究が行われるというのは、人間の好奇心の危うさを表現している気がしました。

 物語の主人公も怪獣によってトラウマを抱えながらも、危険な場所に自ら飛び込んでいきます。
 
 知らないままではいられない、知らないものをどうしても知りたいというのは人間の本能なんだろうなと感じました。

 それだけではなく、怪獣を解剖するというテーマの中に災害、環境問題、原発問題を想起させる部分が多々あって、考えさせられます。

 さらには仕事場での理不尽なハラスメントの問題や男女の働き方、危険な場所で働かざるを得ない労働環境の問題も入っています。

 あとはふとした会話の中に、東京と地方の問題についても考えさせれる場面があったりします。

 上下巻の2冊にテーマが詰め込まれている感じがしないのが見事だと思います。

 考えさせられるテーマだけでなく、恋愛要素も入っているので最後まで一気に読めてしまいます。

 とてもおすすめの漫画です。



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