『卵の緒』瀬尾まいこ

 『0冊目の本』に書かれた物語の前の物語『卵の緒』を読みました。

 表題の『卵の緒』と『7’s blood』の2作の短編小説で構成されていて、2作ともとても良かったです。

 卵の緒では育生という主人公が自分は捨て子なのかという疑問を持ちながら過ごしていく物語です。

 かといって暗い雰囲気ではなく母親は全力で育夫を愛してくれています。

 世界で私より育夫を愛している人はいないと公言しています。

 そして育夫もその母親と一緒に生きていくことを幸せに感じています。

 7’s bloodでは父親が違う七子と七生という姉弟が急に2人で生活するという物語です。

 弟がとにかく良い子で物事を達観しているように過ごすんですが、その背後にある七生のこれまで知っていくなかで家族とは何なのか、そして母親がなぜ七生を引き取ったのかが分かってきます。

 どちらも「家族とは何なのか」という問われている気がします。

 後書きで瀬尾さんが書かれている家族というものへの憧れを感じました。

 家族の愛情は血がつながっていることは絶対条件でしょうか。

 血がつながっていない家族には絶対的な愛情は存在しないのでしょうか。

 とても素敵な物語ですが、同時に考えさせられる作品でもありました。

 僕は今、家族を愛していますし、子どものことを世界で一番愛していますが、それは血が繋がっているからなのか?と聞かれるとなんと答えて良いのか分かりません。

 瀬尾さんの小説を読んで、子どもたちと家族とは何なのかを話せる日がくるといいなと思いました。


IMG_4586