『どうせ世界は終わるけど』結城真一郎

 結城慎一郎さんの『どうせ世界は終わるけど』を読みました。

 結城さんの本は 『#真相をお話しします』以来の2冊目です。

 「真相を」では、とにかく結末がどんでん返しばかりで面白く読むことが出来ました。

 今作も意外な結末という要素は残しつつ単なる意外性のある結末という話しではありませんでした。

 物語の設定は100年後に隕石が墜落して人類が滅亡することが決まっている世界です。

 読み始めて伊坂幸太郎さんの『終末のフール』が頭をよぎりました。

 『終末のフール』は8年後に滅亡することが決まってしまい、そこから数年は荒れたけれど残り3年になって落ち着いたという展開だったと思います。

 終末のフールが最後どうなったのか忘れてしまったのですが面白かった記憶はあります。

 『どうせ世界は終わるけど』では数年後でもなく100年という少し遠い未来に滅亡することが決まっている世界で、人はどうやって生きていくのかという内容になっています。

 複数の視点で物語が進んでいき、他に登場してくる人が出てきたり関係したりしているという僕が好きなタイプの物語でした。

 どの短編も面白く読み応えがあり、考えさせてくれる内容になっていました。

 特に最後の短編「どうせ世界は終わるけど」が良かったです。
 
 そこに登場する子供が言い放つ、どうせ世界は終わるから、好きに生きたほうがいいみたいに言うけど、滅びないなら好きなように生きちゃダメなの?という問いかけにハッとしました。

 滅びるから好きなように生きていいとかじゃなくて、人類はいつか滅びる、それが数千年後か数万年後か分からないけれどいずれ滅びることは決まっている。

 にも関わらず滅びるから好きに生きていいなんておかしい。

 人はもともと好きに生きるべきだ、好きに従って生きることが人にとって大切なことだ。

 100年後に人が滅びるとか滅びないとか関係なく。

 そんなことを伝えてくれた小説だったと思います。

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