『われは熊楠』岩井圭也

 南方熊楠の一生を描いた小説『われは熊楠』を読みました。

 和歌山県を代表する偉人である南方熊楠の人生を膨大な資料をもとに書かれた1冊でした。

 出てくる地名の多くが知っている場所であったり、和歌山の方言が使われていたり和歌山に住む人ならイメージしながら読めると思います。

 南方熊楠という存在は知っていましたし、南方酒造が南方熊楠の生まれた家だというのは知っていたんですが、他のことは知らないことだらけでした。

 もちろん全てが実話ではないとは思うんですが、南方熊楠の偉大さを知ることが出来ました。

 同時に南方熊楠ほどの人物であっても自分が何者なのか悩み続けていたこと、自分の志を達成することができなかったことを知りました。

 南方熊楠の人生を知ることで、中島敦の言葉、人生は何事もなさぬにはあまりに長いが、何事かをなすにはあまりに短いという言葉を思い出しました。

 世界の全てを知ろうと挑んだ南方熊楠はいったい何を知ることが出来たのか。

 南方熊楠は全てを知ろうとするなかでいったい何を知り、そして何を見つけたのか。

 和歌山に長年住んでいながら南方熊楠記念館に行ったことがなかったんですが、時間を作って足を運ぼうと思います。

 和歌山県に住む人だけでなく、南方熊楠という名前を聞いたことがある人にはとてもお勧めです。

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