『処方箋のないクリニック 特別診察』仙川環

 『処方箋のないクリニック 特別診察』を読みました。

 『処方箋のないクリニック』の続編になります。

 今作も青島医師が「検査をして、病名をつけ、薬を処方したり手術を勧める。それはそれで必要なことだけど、それだけでは足りない」をモットーに様々な悩みを持つ患者やその家族と向き合います。

 青島医師の基本的なスタンスはまずは話を聞くことです。

 正しいことや正義を押しつけないところから始まります。

 青島医師がなぜその考えにたどり着いたのかという真相も今作では明らかになります。

 悪いと分かっていてもやってしまう人に、それは悪いことなのでやめなさいといくら言ったところで治ることはありません。

 それはどんなことも同じです。

 人は信じたいものを信じます。

 正しいから信じるではありません、信じたいから信じているのでそれが間違っていると否定したところで何も解決しません。

 僕も昨年、胆嚢を摘出するという手術を行いました。

 大きな手術ではないといくら説明されても病院で過ごす時間が不安になりました。

 もしかした家族と会えなくなるかもしれないなんてことも少し考えました。

 医師側から見ればたいしたことのないことであっても当事者や家族からするととても大きな出来事だということはたくさんあると思います。

 学校でも同じように学校側、教師側から見た事案と子供や保護者から見た事案はまったく違っているかもしれないという目線を持つことの大切さを感じました。

 そしてその目線を持って話を聞くことが出来るかどうかはもっと大事なんだと思います。

 相手が感じていることをそのまま聞くことで問題は解決に向かっていくんだということを感じたとてもいい小説でした。



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