『あえのがたり』

 『あえのがたり』を読みました。

 2024年の元日に能登半島を襲った大地震への寄付を目的として書かれた小説です。

 あえのがたりとは能登地域の感謝をささげる「あえのこと」という言葉から作られた造語だそうです。

 能登のために10人の作家さんが、能登地方をテーマに書かれた短編小説はそれぞれの個性があってとても面白かったです。

 何作か読んだことがある人、初めて読む人どちらもいましたが、読んでみて思ったのはそれぞれの作家さんに文体があるということでした。

 それぞれの作家さんによって"らしさ"があります。

 この”らしさ”がないと作家として成功しないんだろうなと思います。

 この”らしさ”をAIは真似してぽく作ると思うんですが、オリジナルの”らしさ”を作ることは出来ないと思います。

 なぜなら、この”らしさ”は誰にとっても読みやすいということではないからです。

 誰にとっても読みやすい最適解ではない文章を作ることが出来るのが、作家なんだと思います。
  
 今回の10作品を読みましたが、サクサク読めてしまう文章もあれば、どうもリズムに乗れない文章もありました。

 これはいい文章とか悪い文章といったことではなく、読み手によって違うということです。

 自分が心地よい文章に出会うととても文章を読むのが楽しくなります。

 自分がどんな人が書く文書が好きなのか、そういう目線で読んでみても楽しいと思います。

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