Wutan(ウータン)vol.58 

 全国初等教育研究会が発行している教育雑誌ウータンの2025年度春夏号を読みました。

 とても興味深かったのは川上康則先生の「子どもたちを輝かせる」でした。

 ”教職に就く人の特徴とそこに潜む別の課題”というところで教職を目指す人の特徴が、真面目で正直で人に何かを教えるのが好きで、学校への適応が高かった人とあげられていました。

 この特徴は教職にあっていそうですが、別の課題を生み出す可能性があるということに注意しなくてはならないというところがとても納得できました。

 詳細は雑誌をぜひ読んでもらいたいんですが、一部をあげておきます。

 ・真面目すぎて融通が利かずに善意の押しつけになっている
 ・教えるのが好きな一方、人の話は聞かない
 ・学校適応度が高かったので、馴染めない子どもの気持ちが分からない 
 ・自分がうまくいってきたという根拠で物事を進めてしまう
 ・個人の活動を好み、連携や協力などに向かない などなど

 教職を目指す人が持つこれらの傾向は良いとか悪いではなく、こういう傾向があることを前提として考えることが大切だと思います。

 単純に教職を目指す人が皆が同じように考えていると考えて進めると、空中分解する可能性があるということを踏まえて「チーム学校」の構築を目指す必要があります。

 適度な「割り切り」の大切さ


 割り切った付き合いというとマイナスに捉えられがちですが、割り切りとは諦めや放棄ではなく、期待値レベルの調整だというのがとてもいいなと思いました。

 僕自身もその考え方をとても大切にしていて、僕がよく使うのは「折り合い」という言葉なんですが、諦めるとかではなく、相手に対して「折り合い」をつけることでストレスを減らし、余裕を作るようにしています。

 具体的な視点を紹介してくれていました。

 ・人の変化や成長は一律ではなく、「個別の時間軸」があることを理解する
 ・相手に過度に期待しない
 ・自分のことも過信しない
 ・問題や課題はすぐに解決するものばかりでなく、納得感のないまま着地することもある など

 こういう視点を持つことでかなりラクになると思います。

 さらに教師としてこうあらなくてはならないという使命感も自分を苦しめ、相手を苦しめることがあるので、使命感も適切にコントールする必要があると書かれていて、そうだなぁと思いました。

 特に教師が取り組める範囲は目の前の手が届くことだけという限界を認識するというのは、かなり大切な考えだと思ったので忘れないようにしようと思いました。

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