『どうして死んじゃうんだろう?』細川貂々

 図書館でたまたま見かけてタイトルが気になって借りてしまった『どうして死んじゃうんだろう?』を読みました。

 全編漫画で構成されていて、とても読みやすい1冊でした。

 本の主人公はある日、突然知っている人が自殺した女の子とブッダの弟子である「あなん」という修行者です。

 知られていることだと思いますが、ブッダは自分で本を残したりはしていません。

 あなんという修行者がブッタから聞いたことを「私はこのように聞きました」という形式で伝えたものが残されています。

 今回の本では「涅槃教」が取り上げられていて、ブッタが死についてどのように語っていたのかが書かれています。

 ブッタの死についてだけでなく、ソクラテスやキリスト、オマル・ハイヤーム、宮沢賢治の死についての考えも書かれています。

 個人的にはエリザベス・キューブラー・ロスの死を受け入れる5つの段階について知ることが出来たのが良かったです。

 死を宣告された人の5段階とは何か

・嘘だと思う(そんなこと自分におこるはずがない)

・怒る(どうして自分がこんな目にあわないといけないんだ)

・取引を考えます(なんとか死なないですむ方法はないか)

・抑うつになる(なるべく考えない)

・受け入れる(人は誰でも死ぬということを納得せざるを得ない段階になる)

 なぜこの考えを知れて良かったかというと、全員が最後の受け入れるまで進めるわけでなく、むしろ最後の受け入れるまで進める人は多くありません。

 死を受け入れたうえで死を迎えるには、生きている間に死について考えることが必要なんだなとあらためて教えてもらえました。

 メメント・モリ(自分がいつか必ず死ぬことを忘れてはいけない)という言葉が古代から今も残っているのは、きっと多くの人が死について考えてきたからだと思います。

 人は必ず死にます。

 死を不吉なもの、悲しいものと考えるのではなく受け入れる準備をしておこうと思いました。

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