給与さえ上げれば教員不足は解消するのか
社会学者で様々なコメントでよく話題になる古市さんが「給与さえ上げれば「教員不足」は解消する? まずは時代遅れの「ブラック労働」をどうにかしてください」という興味深い記事をあげていたので読んでみました。
まず給与を上げる部分は、「教職調整額」が引き上げられ、給与が上がるのは、現場で働く教員にとしては歓迎していいことだと思っています。
しかし、古市さんが指摘する通り給与の引き上げだけで本当に教員不足が解消するのかは僕も疑問を持っています。
教員不足の背後には、単なる金銭的な問題だけでないと思っています。
教員不足は学校の構造的な課題だと感じています。
特に大きな問題は指摘されている通り長時間勤務を生み出す構造だと思います。
給与が上がっても働く内容が変わらない限り労働時間は変わりません。
なので、そこが改善されない限り教員不足は解消されないと思います。
適切に残業代が支払われるならまだしも今回の引き上げでは、残業代の支払いに関しては何も解決していません。
現状の教員の平日の勤務時間は、小学校で平均10時間45分、中学校では11時間を超えています。
僕が住む近くの中学校も夜遅くまで電気が着いているのを見かけます。
過労死レベルといわれる残業時間が月45時間を超える教員は、小学校で64.5%、中学校では77.1%に上るといわれています。
これらの数字からも、教員がどれほどの時間を仕事に費やしているかがわかります。
これら全てに正当に残業代を支払う財源はないと思います。
なので、出来ることは定時に退勤するということなんですが・・・
ただ私自身は定時退勤ですが、休日に地域のイベントや部活動のサポートで働くことがあります。
そういう働かざるを得ない状況というのはまだまだ多く残っていると思います。
その状況を生み出すのは、学校が「全てを抱えすぎている」ということだと思います。
まず学校は、自分たちが出来ると思っていることを出来ないと認め、手放していく必要があると思います。
登下校の交通指導や、放課後の部活動の指導、休日の地域行事への参加、校外での生徒の問題行動の対応まで全てを対応しようとしています。
子どもに関することを全て「丸抱え」する構造は限界を迎えています。
そもそも学校が、「子どもの生活を全て支える存在である必要はない」ということをはっきり打ち出していくべきだと思います。
昔の金八先生やドラマや漫画みたいな学校や先生像は刷新していく必要があります。
教員不足を解消する具体的な方法としてあげられていた長期休暇を教員も子どもと同様に取れるようにするというのは、とてもいいと思います。
今も夏休み期間中は休みを取りやすいですが、それがもっと拡大佐され長期休暇を取れるとなれば、教員は魅力的な職業となる可能性があります。
給与をあげることは意味がないとは言いませんが、指摘されている通り、まずは教員の働き方に目を向けるべきだと思います。

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