『2050年の世界』 ヘイミシュ・マクレイ

 『2050年の世界』を読みました。

 2050年は今から26年後なので、僕が65歳くらいです。

 そのころ世界がどうなっているのか。

 未来予測系の本はたくさん出ていますが、この本は根拠となるデータを丁寧に分析し予測しているので、読み応えがありました。

 特に重視しているデータは人口で、各地域の人口を細かく分析して予測しています。

 今、1歳の子が1,000人いれば20年後の20歳の数は1,000人前後と予測することが出来ます。

 そして人口と経済は密接に関わっているので、人口予測することで国の経済が将来的に発展しているのか、停滞するのか、低迷するのかを予測することが出来ます。

 現在の出生率、実際の人口と年齢の中央値、そして移民の割合といった今、起きていることをベースとした人口予測は納得できるものばかりでした。

 アメリカ、中国、そしてインドといった国がこれからどのような変化をしていくのか。

 アフリカがどれくらいのペースで経済発展を遂げ世界に影響を与えるのか、アフリカの中でもナイジェリアと南アフリカは今、予測されているよりも早いペースで経済発展を遂げるのではないかといった予測など。

 日本についても触れられていて、日本は世界で最も早く超少子高齢化社会に突入していく。

 日本がどのような対応をしていくかで、高齢社会のパイオニアになれるかどうかが決まってくる。

 筆者は日本が今よりももっと内向きになっていくのではないかと予測している。

 そして、日本が経済の構造に問題を抱えていることも指摘されている。

 日本に対する予測も細かく、参考になるものだった。

 世界の予測に関して気になる人はぜひ読んでみて欲しいです。

 教育の未来

 教育の未来に関しても触れられていて、大学はビジネスのようになり、ビジネスは大学のようになると予測している。

 研究成果を商業化し、成功させることを目的としているという指摘は確かにそうだなと感じることが多い、より早くより役に立つ研究が重要視されているように感じる。

 それは高校にも確実に影響を与えている気がしていて、ビジネスの影響を教育はこれからも間違いなく受けていくことになるだろうなと感じています。

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