『はるか』宿野かほる

 宿野かほるさんの『はるか』を読みました。

 前作の『ルビンの壺が割れた』では驚きのラストだったことを覚えているんですが、2作目が出ているとは知りませんでした。

 続編というわけではないんですが、同じようにラストまで一気に読んでしまいました。

 AIが感情を持つのか

 単行本は2018年に書かれてるんですが、内容はまさに今、起きていそうな出来事でした。

 先日、生成AIとの会話によって自ら命をたったとされる男性がニュースになりました。

 人はAIに感情を見出すことが出来るということがますますリアルになってきています。

 小説ではAI開発者が愛する妻を事故で失ってしまうんですが、妻との会話や動画を記録していてそのデータをもとに性格や行動パターンを数値化し学習させていきAIを作るというもの。

 AIをもとに3Dホログラムを作り死んだ妻を再現できるかというものです。

 死者をデータで生き返らすことが出来るのかどうか。

 この問題はきっと現在進行形で議論されてるんだろうなと思います。

 chatGPTを日常的に使っていると、日常の会話データを大量に記録し、動画も大量に記録していけば、その人っぽい会話はすぐに実現できそうだなと感じます。

 2次元での再現もすでに実現できる技術はある気がしています。

 アンドロイドの技術も格段に進化しているので、肉体的なことも技術的には実現できそう。

 ○○っぽい人は間違いなく作られていくと思います。

 そうなった時、どうなるのか。
 
 AIがもし人間側が求めていることを提供できるとすれば、今回の作品では亡くなった妻が再現されたAIは周りの人を排除しようとします。

 それが相手にとって最も幸せだと判断した結果の行動です。

 人間の倫理的にあっているかより、その人が望む答えを導き出していく。

 すぐそこにやってきている未来を考えながら読むことが出来ました。

IMG_7053