『ファンベース』佐藤尚之
 
 『ファンベース』を読みました。

 ビジネスをするうえでどうやって商品を購入してもらい、長く愛されていくかという方法が書かれた1冊で、とても面白かったです。

 買ってくれる顧客全員を大切にするべきだ、いかに多くの人に手にとってもらえるかという考えでは、人口減少が止まらない日本ではすぐに限界を迎えます。

 それどころか実は新規の顧客に目を向けるよりも、常連に手厚くするほうが売れ続けるという法則が証明されています。

 パレートの法則という法則なんですが、全顧客の20%が売上の80%を生み出しているというものです。

 つまり顧客全員を大切にするよりも上位20%のファンを大切にしていくことが売上につながるということです。
 
 ただしここが大事なんですが、大切にするというのはけっしてファンを特別扱いするものではなく、ファンを身内にして高めあっていくことが目的です。

 ここを間違ってファンを特別扱いしてしまうと、ファンは自分の要望をかなえようとしてしまい他のファンが離れていってしまう。

 ファンを特別扱いし、ファンの言うことを全て受け入れるのとはまったく違います。

 ファンを対等な存在として扱い、お互いに商品を高めようとしていく関係を築くことができるかが「ファンベース」という考え方です。

 学校に置き換えてみよう

 ファンベースという考えはけして商品販売だけでなく、学校にも置き換えられるところがあるなと感じました。

 保護者や地域の人に学校のファンになってもらう。

 ファンになってもらえば、この学校ならこういう方向性で進めたほうが良くなるんじゃないか、こういうことをすればファンが増えるんじゃないか、ぜひこの学校を薦めたいたいなど

 いろんなアイディアが生まれ、自ら協力してくれる人が増えるんじゃないかと思います。

 地域の人の意見や保護者の言うことを全て聞くのではなく、学校が目指す姿と子どもが学ぶ姿を理解してもらい応援してもらう。
 
 そのためにはまず定期的に自分たちが何をやっているかを発信していくことが必要になってくると思います。

 良いところや行事ばかりを発信するのではなく、日常的な授業の様子を積極的に参観してもらったり、日常的に学校に来てもらえる状態を作り、運営していく。

 地域の人すべて、保護者すべてをターゲットにするのではなく、コアファンとなってくれる人を見つけ満足してもらうという意識も大切だと思います。

 いろんな場面で役に立ちそうな1冊でした。


※次男に表紙を破られて修繕しました…
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