『第4の波』大前研一

 『第4の波』を知り合い多く、SNSで紹介していたので読んでみました。

 トフラーが書いた『第三の波』をベースとして今、起きている変化を第4の波として書かれた1冊で、なかなか興味深い内容でした。

 産業革命の次の情報革命に続いてAI・スマホ革命がやってくるというもので、脱工業化社会の先の社会を世界は迎え始めているというのが大きな内容でした。

 考えのベースとしては『第三の波』と『フラット化する世界』なのかなと感じました。

 世界はフラット化していき、これからはどこの国という考えが薄れていく。

 実際、今も1つの国だけで経済を考えることは出来ない時代になっていて、今後もそれは不可逆的に進んでいく。

 例えば、Amazonのサービスセンターに問い合わせて、Amazonからかかってくる電話の場所は日本ではなく、世界中のどこかの日本語が話せる人がいる場所になっていて、もしかするとその人は他の国に電話しているかもしれない。

 対応してもらう側からすると、対応してくれれば相手がどこにいようが問題ない。

 そして今は人がその仕事をやっていますが、もう少しすればその対応はAIが対応していくかもしれない。

 そういう未来はもうすぐそこまでやってきている。

 教育の世界はどう変わっていくのか

 日本のこれからの経済の方向性や企業の進むべき道など様々な提案や実例が紹介されていますが、教育の部分に関して考えたことを書いておこうと思います。

 学校教育においては各教科を教えるという教師は必要なくなり、教えるのが上手い人の動画を見て学んでいくので、ティーチャーではなく、ファシリテーターが必要となってくる。

 答えがある問題を教えるという時代は終わっていく。

 そうだと思いますし、そうなっていくんだろうなと思います。

 ただ、その話はもう数十年間ずっと言われてきていますし、学習指導要領でも書かれています。

 しかし、今もなお学校教育に対しては詰め込み、知識伝達型だという主張が出続けていますし、学校教育は答えを教える場所だと言われ続けています。

 ということは、学校という巨大な組織に求められているのが、答えのない問題に向き合う子供たちの育成だけではないということだと思います。

 学校に対して子供を預かる場所としての機能を求めている人がかなりいるということだと思います。

 もし本当に学校に対して全ての保護者や地域の人が、預かる場所と違った機能を求めているとするなら学校は変わっていると思います。

 今の学校教育が絶対に正しいとか、このままでいいという話をしたいわけではなく、単純に今の学校教育は時代にあっていないというわけではないと思います。

 居場所としての学校という機能は間違いなくあって、そこの部分を切り離して考えてもなかなかうまく進まないんだろうなと思いました。

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