『まちづくり幻想』木下斉

 『まちづくり幻想』を読みました。

 作者の木下さんは地域再生で有名な方で、SNSでもフォローさせてもらっている。

 いつも切り口が面白く、地域再生に関してほんとに最前線で働いている方だというのがよく分かるものばかりです。

 『まちづくり幻想』も本当に面白く、なぜ地域再生が失敗するのかが分かりやすく具体的に語られています。
 
 さらにその具体をしっかり抽象として書かれているので、この1冊を読めば地域再生に必要なことが何なのか、考えることが出来ます。

 成功するまちづくりなんてものは、そもそも存在しない。

 これが1番大事な部分になると思うんですが、地域再生に必要なことが分かるのに成功するまちづくりが存在しないとはどういうことなのか。

 まちづくりに関しては、他の地域で成功した事例を真似しても成功しないということです。

 各地域には各地域の特色があって、抱えている問題が違っている。

 どこかの村で成功したモデルはその村が自分たちの課題を分析し、今ある資源で何が出来るかを考えて行動していった結果であって、最初から成功することが分かっていたわけではない。

 今、地域に何があるのか、未来のために何をしていきたいのかを考えていくしかありません。

 学校が担う役割は大きい

 読めば読むほど地域を活性化するために学校が出来ることがまだまだあるなと感じました。

 実際に木下さんは高校在学中に起業し、まちづくり事業に取り組んでいます。

 自分が住む町を自分が良くしたいと思えるまちづくりが出来ていれば、きっとその町は変わっていくと思います。

 そのためには地域で楽しく働く大人といかに接点を持ち、交流していけるかがとても大事になってくると思います。

 まちづくりのためにこんなに楽しそうに働いている人がいる、この地域に住んでる大人ってカッコいいという気持ちを持つことが、未来のまちづくりの1歩だと思います。

 昔は良かった、昔はもっと栄えていた、昔は何でもあったといいながら今の地域を悪く言っている大人を見て、どうして子どもがその地域に住もうと思うでしょうか?

 学校から外に出て、積極的にまちづくりをしている人に出会うと楽しそうで、いろんなことに積極的です。

 そういう人たちと高校生が出会うと本当にいつも想像以上に成長していることを感じます。

 4月以降もとにかく積極的に町の中に出ていこうと思います。
 
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