『なるほど!お金のはなし』

 子どもと絵本を探していて見つけた1冊。

 パラっと読んで面白そうだったのでついつい借りてきてしまいました。

 対象が子どもなのでお金について丁寧に分かりやすく書かれていて、知らなかったことや新しい発見がいくつもありました。

 お金がなぜ存在するのかという理由を知るのにいい絵本でした。

 子どもと一緒にお金の勉強をする第一歩にしてもいいと思います。

 物々交換から始まったモノのやり取りがなぜお金に変わっていったのか?

 お金が出来ることによってなぜ貧富の差が生まれていったのか。

 いろんなことが歴史とともに学べます。

 利子を取るのは自然と発生した考え方。

 他にもなぜ利子が生まれたのかもよくわかりました。

 今も続く利子という考えは実はお金が誕生する前から存在していました。

 物々交換するものがない時に籾殻を1袋貸してください、収穫後に2袋にして返します。

 これが最初の利子です。

 貸す側からすると自分の籾殻を貸すことで収穫量が減るうえに貸した相手から確実に返ってくるかも分からない、だから1袋増えるという条件が必要になる。

 利子とは貸す側が儲けるために作られたわけではなく借りる側と貸す側が作った条件みたいなものでした。

 お金は文書を作り出した。

 文書は出来事を記録するためのものという役目もありましたが、借用書としての役目がかなり大きかったそうです。

 お金が誕生した初期に誰が誰にいくら貸しているという文字を石板に彫り、返したら破棄するという方法が取られたそうです。

 文書により複数人のやり取りも可能になり、常にお金を持ち歩く必要がなくなっていきます。

 その考え方が紙幣へとつながっていきます。
 
 お金によって文書が誕生し、進化していったというの面白いです。

 インフレはローマ時代からあった 

 ローマ帝国のころからモノの値段が上がるインフレというのは存在していたというのも面白いなと思いました。

 ローマ帝国は発行する金貨の材料が不足し、質の悪い金貨や銀貨にしていきました。

 それに気づいて商人は前と同じ価値にするために値段を上げていった。

 インフレの問題はローマ帝国の時代から存在していて今もなおうまくコントロールすることができていない。

 お金は、人間が発明したかなり便利な道具であることは間違いないです。

 しかし、その道具を中心にモノゴト全てを考えるようになってしまっています。

 道具は道具にすぎないので、変化しますしある日突然、価値を失うことだってありえる。

 お金は絶対ではなく、変化もする。

 歴史上、ある日お金の価値がまったくなくなることは実際に起きているし、今でも日本の円はジャングルでは何の役にも立たない。

 だからこそお金と上手く付き合っていく必要があるということを忘れてはいけないなと思いました。


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