叱る依存

 『叱る依存が止まらない』が止まらないの作者で臨床心理士でもある村中直人さんがNHKの番組に出演されていて、あらためて叱る依存という考えは広まってほしいなと思いました。

 動画での視聴はNHKの見逃しで見れるかもしれないんですが、話された原稿は記事として誰でも読むことができますので、興味がある人はリンクから読んでみてください。

 叱る依存とは何か?

 叱るに依存なんてあるのか?もちろん叱る依存というのは依存症として病院に行くようなものではありません。

 しかし、叱ることに依存してしまっている人はいます。

 人の脳は苦痛をやわらげてくれるものに依存するといわれています。

 叱る行為によって自分の苦痛が取り除かれる経験をしている人がいます。

 しかし、叱るは自分の苦痛を取り除くためではなく、人のためにやっている行為だという人もいるかもしれませんが、叱る行為が人のためにならないと村中さんは断言されています。
「相手の学びや成長を促進する」という意味において、叱るにはほとんど課題解決の効果はありません。
 叱られると人は防御する

 なぜ人は叱られた時に学んだり成長したりしないのか。

 それは人は叱られた時に防御システムが反応するからです。

 叱られた時に人は「戦うか・逃げるか」という即自的な反応になってしまい思慮深く考えるという状態になりません。

 叱った瞬間に相手は、この時間をいかにして乗り切るかという思考になっているので、叱ってその瞬間は思った通りになっても、考えて変わるという行為にはつながりません。

 相手がネガティブな感情になった時点で学びや成長を促すのは不可能ということです。

 では、叱らずに褒めればいいのか

 話は
叱らずに褒めればいいのか?ということではなく叱ってしまう自分をメタに分析し、自分はどんな時に叱ってしまう感情になるのか?

 相手がどんな状況、どんな行動をとった時に叱りたくなってしまうのかを分析しておくことが大事になってきます。
 
 そうすることで自分が叱る前に冷静になり余裕がうまれます。

 そうやって叱りたくなる状況をうまく予測しなくしていくことで「叱る」ことを手放していくことができます。

 叱るという行為を手放すことで、叱られる側だけでなく、叱る側も幸せになることができます。

 叱るという行為が相手のためだから、叱るというのは必要な行為だという常識がなくなるといいなと思います。




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