『勉強の哲学』千葉雅也

 『勉強の哲学』を読みました。

 勉強は何のためにするのか?

 「勉強とはどういうことか?」について書かれた1冊。

 最初、勉強は全員がやる必要はないというところから始まります。

 今いる環境や状態に満足しているなら無理して勉強はしなくてもいい、なぜなら勉強することでノリが悪くなるから。

 勉強するとノリが悪くなる?どういうこと?というところからスタートしていきます。

 哲学ってやっぱりちょっと難しいのか?と感じるところもありますが、かなりかみ砕きながら進めていってくれるので読んで良かったなと思える1冊です。

 勉強していくことで人にはどんな変化が起きるのか。

 個人的な感覚ですが、確かに勉強すればするほどいろんな言葉や社会の常識が気になってしまい、スルーできなくなってしまう。
 
 勉強すれば、ノリで言っているであろう言葉や雰囲気に引っかかってしまってつい空気が読めないと思われる発言をしてしまうことが増えます。

 しかし、勉強はただ単にノリが悪くなるだけでなく、その次の段階を迎える。

 筋トレの例が分かりやすかったんですが、筋肉をつける時には最初からいきなり筋肉にはならない、脂肪もつけてまずは身体を大きくする必要がある。

 そこから食事を制限して、トレーニングを重ねて不要な肉をそぎ落とし筋肉にしていく。

 勉強も同じで、まずは頭でっかちの言語中心のノリが悪いやつになる必要がある。

 そうなっていく過程で自分をメタで捉えて専門を絞っていく、そうすることで勉強は深まり自分が変身していく。

 僕も教職大学院に行ってかなり変身できた気がしています。

 自分にとって深く学びたい分野が見つかりある程度、絞り込むことが出来たように感じています。

 しかしそうやって思っている自分のこともまた疑い、勉強していく必要はあると思っています。
 
 勉強は変身することなのでいつからでも始められるし、中断してもいい、そしてまたいつ再開してもいい。

 勉強って何でするの?って思っている人にはヒントがたくさん詰まっていると思います。

 読書の技術

 あと、後半に出てくる読書の技術は心においておこうと思いました。

 p183.l3 「難しい本を読むのが難しいのは、無理に納得しようと思って読むからである。」

 納得しようすぐに理解しようと思って読むのではなく、この本にはこんなことが書いているんだと把握しておくことが大事で、その把握が構造を理解したりすることにつながっていく。


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