『古本食堂』原田ひ香

 原田ひ香さんが書かれた『古本食堂』という本を読みました。古本屋を経営していた叔父がなくなり、北海道に住んでいた叔母が上京して経営することになった。私は大学院の文学部に通いながら叔母の手伝いをしていく。地元の人に愛されながら経営されてきた古本屋には、ご近所さんや出版社の社長や社員もやってくる。古本の物語の中に地元で愛されている食事も登場してくる。しかも実際に東京の神保町に実在するお店ばかり。僕も1度だけ行ったことがあるんですが、古書店が本当に多く、カレー屋さんも多かった。また行きたくなりました。今度はゆっくりと古書店を巡って買った本を片手にカレーを食べる。そんな風景を想像するだけで楽しくなりました。




 読書が本という文化を受け継ぐ一端になっていれるならそれは幸せ。

 古本屋さんが舞台となって物語が進んでいくんですが、絶版になったり、なかなか手に入らない本が登場してきます。
 僕が人生で読める本には限りがありますし、古典から現代、そして世界の名著まで幅広くカバーすることもなかなか難しいです。そしてそもそもそういう義務感にかられた読書はなかなか続きません。
読んでいて楽しいし、ワクワクするから読むのであってやらされる読書はきっと続きません。源氏物語が書かれた時代に源氏物語しかなかったかというと、そうではなく他にも多く本がある中で源氏物語が残っただけです。ただ源氏物語も本居宣長によって評価されることで消えかけていた中から歴史を乗り越えて今もなお残り続けています。

 世の中にある本のうちどれが数百年の歴史を乗り越えていくかは分かりません。
ただ誰にも読まれず、誰にも語られることのない本は残っていきません。

 そう考えると僕の力なんて微々たるものにすぎないかもしれませんが、本を読み語ることで歴史を乗り越えていく本になる助けになるかもしれません。そう考えると本を読み語る理由があるなぁと思えます。もし時代を超えて同じ本で感想を共有できたとしたらこんな嬉しいことはないです。

誰に届くかなんてことは分かりませんが、これからも本を読んで感じたことを記録していこうと思えた本でした。

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