クレヨンしんちゃん激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者

 自由に落書きしていいと言われて何を書きますか?

 自由に描くということがかなり難しく感じるようになりました。

 落書きって本当は何のルールもなくただ楽しく何かを書くだけ行為だったはずが、最近は落書きすら誰かの評価や判断にとらわれてしまっています。カタチになっているとか、色がどうとかではなく思うままに書いていいはずが、画用紙にうまく書くことを求められて、どんな色がいいかも決められてしまう。太陽は赤、海は青、目に見える色の通りに塗ることや描くことにとらわれてしまう。

 実際にテレビで下手な絵が笑われるのを見て絵を描こうとは思わないし、上手いや下手の基準がただ似ているかだけになってしまって楽しく自由に絵を描くことが許されない。

 子供がただ楽しく絵を描くことすら大人が無理やりやらせていないですか?無理やり楽しませようとしていないですか?というメッセージが「クレヨンしんちゃん激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者」から伝わってきました。

 周りと比べる社会

 絵が上手いや下手なんてことはそもそも比較で成り立っています。そして、その比較の基準はなんとなくにしかすぎません。絵がうまい、下手の判断なんてほんとは必要なものではないです。
 
 それでも、多くの大人がそのなんとなくにかなり影響を受けて子どもに強制してしまいます。周りと比べて絵が下手だとかわいそう、絵が下手だと馬鹿にされるからもっとうまく描けるようにしてあげないと。ちゃんとした色が塗れるようにならないと。などなど

 子どものためにという正義が子供の自由を奪ってしまっている。そんなつもりはないと言う人がほとんどだと思いますが、子供が自由にいろんな色でいろんなところにいろんなもので落書きするのを果たして見守ることが出来るでしょうか?

 いろんな場所にそんな余白がなくなっているんだろうなと思います。しんちゃんを通じて考えることが出来ました。いい映画でした。

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