『死に神のレストラン』

 『死に神のレストラン』という本を読みました。内容は現世に未練を残して死んでしまった人が現世ととあの世の間の世界にあるレストランを見つけ、最後に思い出の一品を食べるという物語。その食事を食べながら現世に残っている未練をほんの少しだけ現世に戻り解決できるという内容。全てを解決することはできず、ほんの少しだけ解決して本当の死を迎える。
 ハッピーエンドではなく、死の現実を受け入れるしかないというところがいいなと思いました。

 死を扱う小説はきっとなくならない
 
 死後の世界を扱う小説、ドラマ、漫画、アニメなどなどは本当に昔からずっと存在しますし、これからもなくならないと思います。なぜなら、死んだ後のことは永遠に分からないからです。分からないから人は考えます。そして人は死んだ後の答えを求めます。
 現世で辛いことが多いから死んだ後は幸せに暮らしたい、また生まれ変わるために良い行いを積み重ねなくてはならない、悪いことをすると地獄に行くことになる。土地や文化によって死んだ後に対する考え方も様々です。
 ”死”という言葉の定義も人によって様々だったりします。人の死とは何なのかを全ての人が納得する説明が出来ることはないと思います。それくらいに死に対する考え方は様々です。僕も死について結構な頻度で考えて、最終的に死ねば終わりなんだろうなという答えにたどり着きます。
 生きている人だけが死について考えることが出来ますが、死んだ人はもうそこで終わり。生きている人は、生きている人に都合のいい死をなんとか作ろうとしているだけなんだろうなと思います。

 それでも死に関する物語に心が少しだけ救われることもあるのも事実なので、本当に人って自分勝手なんだなと思います。

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