『国語教室』

 大修館書店が発行している機関誌『国語教室』が結構、好きで届くと気になる記事をピックアップして読んでいる。読んでいる途中で気になったものを読むこともあれば、それだけで終わることもある。国語教室というなかなか大きな名前を付けているなと思ったりもするが、内容はそれなりに充実しているように思う。参考になる実践記録があることもあるし、ヒントがあることもある。今回のICTの内容に関しては僕も書いてみたいななんてことを思ったりもする。もちろん依頼が来ることはないと思うが、俳句や短歌の実践、様々な文章を書く実践はICTを使って結構やってきたけど、まとめる機会もなかったので少し、まとめておいてもいいなとも思う。

 巻頭エッセイで印象に残ったコト
 
 今回の巻頭エッセイの内容の中でいくつか、なるほどな!とか確かにな!と思ったことを書いておこうと思う。ドリアン助川さんの「扉を開ける読書」と鴻上尚史さんの「コミュニケーションに必要なこと」というエッセイ。目新しい突飛なことが書いているわけではないですが、分かりやすく丁寧に書かれていて、教師と言うより高校生にも読んでほしい内容だった。

 ドリアン助川さんの内容というか文章の構成で、「効率という言葉が正義になった」という言葉が出てくるんですが、その言葉自体はわりと耳にするんですが、それと新幹線の食堂車がなくなったことを結びつけて理解しやすくする。分かりやすい文章を書くというのはこういうことなんだなと思います。読書について文字をもとに書く側と読む側の創造行為によって成立するという視点は大切だなと感じました。
 鴻上さんのコミュニケーションがうまい人は「物事がもめた時になんとかできる人」という言い換えも表現が巧みだなと感じました。コミュニケーションがうまい人というざっくりした言葉を具体的に表現し、なぜそう言い換えることが出来るのかを説明していく。意見が対立した時に0か100の答えを出そうとするのではなく、お互いが同じくらい満足する着地点を探すのが対話。 
 印象に残ったのは”誰かの真剣は、誰かの迷惑”でお互いが真剣だから対話が始まる。コミュニケーションとは何なのかを考えるヒントが詰まった内容でした。



  


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