『俺たちの日常にはバッセンが足りない』

 バッセンとはバッティングセンターのことです。主人公はシンジとエージ。シンジは建設会社の3代目になるのかならないのか中途半端に実家でお世話になっている若者。エージは昔からの問題児でシンジの家の社員寮でやっかいになっているシンジの同級生。エージがある日タイトルにある「俺たちの日常にはバッセンが足りない」と言い始める。なぜか会長でもある祖父はシンジに手伝いをさせる。

 エージが言うバッセンは今ある大きな複合施設内のバッティングセンター ではなく、親子が一緒に楽しく遊べる複合施設じゃなくて、不良みたいな子、少年野球、サラリーマン、よく分からないカップル、お年寄りなどなどいろんな世代がごちゃごちゃいる空間。町にあったそんなバッセンです。

 そんなバッセンをもう一度、作ろうと昔の友達を巻き込みながら進んでいく物語。小説みたいに現実はうまくいかないかもしれませんが、多種で多様な人がいる場所、そこでいろんなことを学んでいく。『学び合い』みたいじゃないですか?

 というか、僕が地域で作りたい場所もまさにそんな場所で学校がそのごちゃごちゃする場所になったらいいのと思っています。

 ちなみに僕が住んでる場所にもすぐイメージできるそんなバッセンがありました。昔からそこにあるバッセン、親と一緒に友達と一緒に別に野球部でもないのに遊びに行ったバッセン。ある日、バッセンはなくなり今はスポーツジムに変わってしまっています。野球人口の減少や経営の難しさなど原因はいっぱいあるんでしょうが、なぜか寂しい気持ちになったことを思い出しました。

 いい小説でした。


IMG_8201