社会学とは何か

 『社会学入門』見田宗介を読みました。2006年に書かれた本なんですが、面白かったですが、なかなか難解な部分も多かった。解説を読んでも、難しいそうな気がする本です。
「人間のつくる社会は、千年という単位の、巨きな曲り角にさしかかっている」―転換の時代にあって、世界の果て、歴史の果てから「現代社会」の絶望の深さと希望の巨大さとを共に見晴るかす視界は、透徹した理論によって一気にきりひらかれる。初めて関心をもつ若い人にむけて、社会学の「魂」と理論の骨格を語る、基本テキスト。
 社会とは関係のうえに成り立っていて、社会には様々な関係がある。生まれた瞬間から関係がある家族や、学校で自ら作る友人関係もあれば、勝手に決められるクラスメイトという関係もある、働き出して出来る同僚といった関係もあれば、市場の中でつながる株主といった関係もある。
 本の中では多くの関係を4象限に分類して考えている。「共同体」「集列体」「連合体」「交響体」である。それぞれの説明の詳細は本を読んでほしい。

共同体:家族など自由な選択意思以前に宿命的に存立する社会

集列体:私的な利害の追求にもとづく行為でうまれる社会

連合体:自由な意志であるが、人格的結合ではない特定の利害や関心で結ばれた社会

交響体:個々人が自由な意志で人格的に呼応しあう形で存立する社会

 交響体という社会

 交響体という関係を作り出すにおいて必要なことは自由な意志で選択できることに加えて、複数の要素が必要になる。
開放性があること、関係の偶然性の楽しさ、多様・異質なもの同士の接触、共生の楽しさや感動。これらのものが揃って交響体という社会が作られる。この交響体という社会はこれからかなり重要になってくるように感じている。
 現在、ネットによって自分の好みとあう関係を作ることが、容易になっています。ネット上では開いているのに閉じたコミュニティというものが存在してきています。
 交響体という社会と『学び合い』が目指している姿にはかなり親和性があると読んでいて感じています。うまく言語化して説明できると多くの人に伝わるはずなので、少し間をあけてもう少し読みこんでいこうと思います。


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