発見した凄い地元

 年末に和歌山に帰省して法事があり、お寺に行った。いつもと違うお寺で初めて訪れた。家からそんなに遠くない場所にある勝楽寺というお寺だった。中に入って驚いた国の重要文化財に指定されている仏像が何体もあった。40年近く生きてきて、多くの時間を和歌山で過ごしてきたのにまったく知らなかった。仏像の写真撮影は出来なかったが、もし機会があれば観に行ってほしいレベルの仏像であった。

 都会と比べて何もないは本当なのか?
 
 僕自身も中学や高校の時は思っていたし、口にもしていた言葉に「地元には何もない」というものがある。遊ぶところや買い物するところなどがないという意味で使っていたのだが、今になって考えると本当に見えていなかったんだなと思う。
 地元には誰にも真似することが出来ない、歴史がある。それにまったく気づいていなかった。地方はよく再開発するときに、便利さや都会っぽさを取り入れたがる。それが悪いとは言わないが、都会を超えることはないし、結局は何もない状態のままになる。
 僕の地元の湯浅町は、かなり歴史のある町であることを結構な数の人が無自覚に過ごしている。僕もそうだった。観光地にしようとして、全国で何度か見たことあるような戦略で進んでいる。

 地元のニーズはどこにあるのか
 
 最初のお寺の話に戻ります。国の重要文化財であっても、積極的に宣伝をしているわけではありません。集客しようとしているわけでもありません。むしろそういったことを狙っていないようにすら見えます。そこには観光業として成功したいという思いより、歴史を受け継いでいくという意思を感じます。地元の中で地元に愛されるものを残していく。経済成長や拡大ではない、都会に憧れるだけではない価値観を意識していくことが、地元で幸せに暮らしていくためには必要なんだ思いました。


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