『ディスタンクシオン』 

 12月の100分 de 名著で取り上げられている名著『ディスタンクシオン』 。内容説明は以下が分かりやすいです。



 さまざまな格差問題や、いまだに根深く残るとされている階級問題。そもそもなぜ人間社会に格差や階級が生まれたのか。経済的な要因だけでうまれたものではないという、著者ブルデューの理論。

 ブルデューは自らの理論によって、相続されるのは経済的な財産だけではないことを明らかにしました。私たちは、生み落とされたそのときから、家族の中で、身振りや言葉遣い、趣味、教養といった、体に刻み込まれていく文化能力をも相続していきます。
 そのように相続されたものを「文化資本」と呼びます。文化資本は、蓄積することで学歴や社会的地位、経済資本へと変換可能になり、大きな利益を生みます。文化資本の多寡は、自らが属する社会的階層によってあらかじめ決定づけられ、格差を生み出していく要因になっていきます。
 にもかかわらず「努力によって獲得されたもの」と誤認されることで巧妙に隠蔽されます。文化は、人々の行為を規定するものとして、社会の隅々まで力を及ぼしているのです。

 自分の趣味は自分だけで決めたものではない。

 番組内では動画を用いながら上記のことをうまく説明してくれているのですが、人が持つ好みは生まれ育った環境により、決定されているということだと僕は理解しました。家にピアノがあり、誰かが演奏している環境で育った人であれば、音楽に対して家にピアノがない人よりも興味を持つ可能性が高くなる。本が家にある環境と、そうでない環境では本を読むという習慣が大きく異なる。
 結果として同じような好みを持った人が自然と集まっていくことになる。自分で努力したかのように思えることが実は生まれながらに相続されたものだという事実。
 趣味や趣向といった個人的だと思われていることが、けして個人的ではなく社会的なものに影響されていた。納得しながらもこれからこの理論がどういう説得力を持ってくるのか。来週以降が楽しみです。


ピアノ1