LGBTQを知ること

 ブックスマートという映画を観てきた。この映画はGLAAD(The Gay and Lesbian Alliance Against Defamation“中傷と闘うゲイとレズビアンの同盟”)が主催する第31回GLAADメディア・アワードを受賞した作品である。その前提で以下の映画紹介を読んでほしい。

映画.com(https://eiga.com/movie/91288/)より内容紹介
女子高生2人組が高校最後の一夜に繰り広げる騒動を描いた青春コメディ。高校卒業を目前にしたエイミーと親友モリーは成績優秀な優等生であることを誇りに思っていたが、遊んでばかりいたはずの同級生もハイレベルな進路を歩むことを知り、自信を失ってしまう。勉強のために犠牲にしてきた時間を一気に取り戻すべく、卒業パーティへ繰り出すことを決意する2人だったが……。
 映画の中でエイミーは同性愛者であることをモリーやクラスメイトにカミングアウトしている。モリーはその恋愛をごく当たり前に応援している。エイミーのカミングアウトしたことと実際にアプローチすることは別だという言葉や同性愛者の心の葛藤が描かれていたりする。下ネタもかなり頻繁に登場していたり、凄く自然にLGBTQが描かれている作品のように感じた。にもかかわらず日本では映画紹介で同性愛やレズビアンという言葉が登場してこない。なぜか。きっとそういったテーマを中心におくことで商業的にマイナスがあると判断されたのだろう。日本の性に対するタブー化が見えたような気がした。そんな中、ブックスマートに関する凄くいい映画批評の記事もあった。
「米批評家も大絶賛の青春コメディ映画『ブックスマート』に学ぶLGBTQと多様性の描き方」
(https://news.yahoo.co.jp/articles/7858ccef09f6009af3d9ddc1d3b8e94e9cd4f12c?page=1)

 知らないから怖い
 卒業式のスピーチでモリーは「今までみんなのことを見ていなかった。怖かった。そして私は自分のことも見えてなかった」とみんなに話す。知らないことを人は怖がる。知ることから始まる。自分の偏見が見えていたものを見えなくする。エイミーとモリーは勉強だけをすることがベストの選択だと信じて疑っていなかった。しかし、見下していた友人たちが自分たちが絶対だと思っていた大学進学や一流企業への就職への道へ進むことを知り偏見という眼鏡が壊される。そこで初めて友人たちを見る、そして知る。悩みごとなんてなく遊んでいるように見えた友人が同じように苦悩していることを知っていく。LGBTQと多様性についてはステレオタイプの教育が多いと感じる。それが意味がないとは言わない。ただこの映画を観て映画の紹介文や宣伝CMを観てどう感じたか。なぜ同性愛のことを書かないのかと話し合うような時間を作ることで知ることがきっと始まる。ぜひ観て欲しい作品だった。


ブックスマート