善と悪は必要なのか
 必要悪という言葉がある。悪なのに必要なのかと思うかもしれないが必要悪とは何かはこちらのサイトが分かりやすい。「必要悪」の意味は?使い方の注意点や実例も解説【例文つき】(https://biz.trans-suite.jp/24305)このサイトで出てくる通り必要悪はダメだと言われていながら存在し続けているものです。善だけで悪を完全に取り除くことは健全ではないということです。こういうことを僕らはなかなか学ぶ機会はありません。

善と悪

 道徳教育
 学校の道徳教科書で「悪」は必要かどうかという議論を見たことがありません。信号は青以外で渡ったらダメだよね。どんなに急いでてもルールは守らないとダメだよね。朝きちんと起きるのは夜更かししちゃダメだよね。友達が困っていたら声をかけてあげないとダメだよね。といったことがいろんな教材を用いて書かれている印象です。道徳の授業を担当したことないのあくまでエビデンスは自分です。

 『竜の道』の善と悪
 ドラマ化されていて話題になっていた『竜の道』を読みました。あらすじは以下の通りです。
矢端竜一は魑魅魍魎が蠢く裏社会の支配を目論んだ。手始めに株の業界紙を発行する新聞社に潜り込み、その乗っ取りに成功する。億を超える金に群がるクズ共を冷徹に操る竜一は、大物ヤクザ・曽根村の信頼を勝ち取るべく、殺人にまで手を染める。野心の塊のような竜一の疾走。それは、双子の弟・竜二と交わしたある約束を果たすためだった。矢端竜二は、エリート官僚の世界に飛び込んだ。兄・竜一との約束――ある大物実業家への復讐――を果たすために。表と裏から攻めて、あいつを叩き潰す……。第二、第三の殺しに手を染める竜一、企みを抱いてある女を篭絡する竜二。金と欲が飛び交う修羅の道を鋼の意志で突き進む双子が行き着く先は?息苦しいほどの命の疾走を描いた傑作長編。
竜一は徹底的に悪です。人を裏切ることは当たり前、必要があれば殺人も犯します。しかしそれは表で竜二が活躍し復讐を果たすためです。自分たちの目的のために悪に染まりながらも突き進む姿を見てどんなことがあっても悪は悪だからダメだと終わらせるのか。『羅生門』の老婆が述べる悪は許される悪も存在するんじゃないかと問いかけるのか。僕は問い続けたいと思います。

書籍紹介

竜の道(上) (幻冬舎文庫)
白川道
幻冬舎
2020-08-11

竜の道(下) (幻冬舎文庫)
白川道
幻冬舎
2020-08-11