部活動は変化出来るのか

 動き出した部活動の変革

 先日「休日の部活動は地域の活動 教員負担軽減の仕組み整備へ 文科省」というニュースが報道された。(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200831/k10012592391000.html)休日に部活動の顧問の先生がいなくても外部指導員がいれば教員がいなくてもいいという内容で今までと比較するとかなり進んだ内容になっている。文科省が発表した資料を詳しく読むと休日に部活動の指導を希望する先生は指導を行うことが出来る仕組みを構築するとなっている。
詳細は文科省の学校における働き方改革推進本部の学校における働き方改革推進本部(第4回)(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/hatarakikata/1413144.htm
 今回提示された改革の方向性の中で「部活動は必ずしも教師が担う必要のない業務であることを踏まえ」という文章も出てきている。文科省が部活動は教員の仕事ではないと明言してくれているのである。もともと部活動は学習指導要領で「生徒の自主性、自発的な参加により行われる」と規定されています。さらに部活動の顧問という業務は法律上はどこにも存在していません。それらの問題に対して文科省からはっきりと指針が出されたことは大きな前進といえるのではないだろうか。

 部活動を学校単位から地域単位へ

 部活動を学校単位ではなく地域単位へ移行していこうと取り組んでいる自治体はすでにある。福井県では2019年度の段階で地域移行の検討を開始している。(https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/993003)福井新聞2019年12月14日の記事
 もちろん部活動の地域への移行は教員の負担減という側面もあるがそもそも少子化の影響で各学校が単独でチームを作ることが出来ず複数の学校で合同チームを組んでいるという背景もある。2018年の段階で中体連に所属している中で1000を超えたというデータがある。2002年度と比較すると3倍以上に増えており今後も増えていくと予測されている。部活動を学校が行うという体制が限界を迎えているといえる。しかし、単に「地域にお願いします」で問題は解決するのだろうか。結局、負担する先が変わるだけのおそれがある。ただし部活動は間違いなく変わらなくてはならない時期を迎えている。「生徒の自主性、自発的な参加により行われる」活動になるための方法を考えていかなくてはならない。

 部活人間だった過去
 
 部活動についてあまり肯定的に書いていないが、実は高校生の時には時間の大半を部活動に費やしていた。朝練から始まり居残り練習も毎日、行っていた。部活動をやってよかったという思いで高校を卒業した。なので教師になった時には部活動顧問をしたいという気持ちを持っていた。部活動顧問は教師の仕事だと疑うことなく教師になり、顧問を持ち、かなりの時間を部活動に費やした。それで後悔しているかと言われると後悔はない。むしろ部活動には間違いなく魅力があると実感している。だからといって教師が部活動をやるべきだとは思わない。さらにいうとやりたい人はやればいいとも思っていない。学校からしっかりと切り離すべきだと思っている。それは部活動を熱心に指導されている方は本当に素晴らしい人が多いというのが1つである。部活のつながりで尊敬すべき人に多く出会ってきた。その先生方が部活動の未来を考えるだけでなく部活動を切り離し学校、地域の未来を考えていくことが子どもの未来の幸せにつながると考えている。そうすることで新しい形が見えてくるはずだ。


soccer