伊坂幸太郎さんの20年目の作品。
30年目も40年目も伊坂さんが本を書き続けている限り1読者でい続けようと確信できた作品でした。
短編集で全ての話が違うようで実はどこかでつながっている僕が大好きなタイプの展開。
小学生のころの話や大人になった時に振り返る場面など時系列も行ったり来たりする。
見失いそうなのにまったく見失うことなく読める。
伊坂さん作品はいつも登場人物が頭の中で動いてくれている。
一緒に思い出を語るように僕の脳の中に思い描くことが出来る。
そしてどの登場人物もちょっと弱くてでもしっかり強い。
友達はどこかひねくれていそうなのに真っすぐでいいやつ。
悪者役や嫌われ役なのに憎めない敵役。
敵役のどこかにちょっとだけ憎み切れないもしかしたらいいやつなのかも?って要素が入って来る。
思い込みで世界を見ると僕らは世界に裏切られる。
子どもが見てる世界は実は大人よりもよっぽど大人だったりする。
みんながそういう子ども時代を経験してるはずなのに大人になったら忘れてしまっている。
ある家族の場面でお父さんが子どもに語る
「子育てで自分がされて嫌だったことはお前たちにはしないんだ、だからお前たちも今もし嫌だと思っていることがあれば自分の子どもにはしないほうがいい。そうするといつか子育ての最適な答えが見つかるはずだ。」
僕たちは人にされて嫌なことを人にはしないほうがいいと分かっているのに嫌なことはなくならない。
保護者が子どもに語る人をいじめるってことはただでさえ生きていくのが難しい人生をより難しくしてるってことだからやめたほうがいい。
自分がいじめていた子が将来、お客様になったら?
結婚相手の親族だったら?
事故に巻き込まれた時の担当医だったら?
いじめが悪いことだなんて誰でも分かっている。
伊坂さんの言葉に僕は未来を感じることがある。
今の行動や言葉が未来につながっている、つながってほしいと思って言葉を書いている。
だから僕は伊坂さんが好きなんだと思う。
そしてこれからも好きなんだと思う。


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