入山章栄さん2冊目。
時系列的には逆になりましたが2冊とも面白かった。
経営学も教育学も同じような批判の中で研究が進んでるんだなってことが面白かった。
研究とは何のためにあるんでしょうか?
それぞれの現場によって環境も人材も違うのだから普遍的な研究なんて意味がないんでしょうか?
企業で起きていること、学校で起きていることをなぜ??
もし一つの場所で当てはまって他であてはまらないならなぜなのか?
追及していくのが研究です。
研究なんて現場で役に立たないよ。
研究した結果がビジネスで役に立つか分からないよ。
正解があるなら何で景気がよくならないんだ。
みたいなことを言うのは居酒屋で話すのなら問題ないですが社会が前に進んでいくためには研究は間違いなく必要です。
もちろん現場で起きていることと乖離しすぎることも問題だと思います。
理論と統計分析も必要だし一つのケースを研究するのも両方が必要なのです。
こういうところも教育学と似てます。
現場の先生はよく現場では・・・という言葉を述べられたりします。
ただ少し尖った言い方をすればその現場はいくつの現場から導かれた考えなんでしょうか?
日本や世界で考えると現場なんていう現場は存在しません。
そんな中で自分が経験した現場が現場の一般だと思うのは極めて危険です。
もちろん研究した結果が絶対的に正しいなんてこともありませんが・・・
研究結果や様々な理論を現場では役に立たないとか、現場のことが分かってないっていうのは少し危うい・・・
少し話がそれました。
ビジネス界で有名な理論や人物の研究は実は現在の研究からは少し違っている。
ドラッカーがいいとか悪いではなく経営学の世界でドラッカーの研究をしている人は多くない。
論文には新規性というものが必要になります。
研究者は論文を書くことが仕事です。
新しい仮定を考えて実証していかなくてはなりません。
経営学の世界で研究されている様々な仮定を最新の論文とともに紹介してくれているのがこの本です。
トランザクティブ・メモリーについても登場します。
イノベーションという言葉に今はどんな理論やアプローチがあるのか。
どんな人材がビジネス界では必要となっていくのか。
ベンチャー企業に対してどんな研究が行われ、どんな考察や分析がされているのか。
出てくる内容の多くを教育にも転用することが出来ます。
ということは逆もまたあるはず。
教育界がいかに実際に起きていることから学んでいるのかというビジネス界からのアプローチがあっても面白いのになとか思ったりしました。
2冊ともお勧めです!!
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