7月7日といえば七夕です。

小さいころに聞いてた話はこんな感じでした。

はた織りが上手な娘『おり姫』と働き者の牛飼いである『ひこ星』は、結婚し仲良く過ごしていました。

しかし、二人とも楽しさのあまり仕事をせずに遊んでばかりいました。

怒った父親は天の川の両端に引き離してしまいました。

しかし、おり姫が悲しさのあまり元気をなくしている様子を見て年に1度、7月7日だけ会える日として許しました。

ざっとこんな感じの記憶です。


小さいころはそうなんだ。

いい話だなと思っていたんですが、思い返してみると疑問だらけ…


そもそも1年に1回って厳しすぎる。

短冊を笹に吊るしてお願いする話はどこから??

1年に1回しか会えない日に人の願いとか聞く??


そこで少し話を作り直すことにしてみました。

「七夕」

昔、彦星という男がいました。

幼馴染の織姫といつも一緒に遊んでいました。

二人でよく笹船を作って川に流していました。

ある雨の次の日、彦星は川に行こうと言いました。

織姫は雨の後は危ないからと言って止めましたが彦星は一人で川に行ってしまいました。

昼に行ったはずの彦星は夕方になっても帰ってきません。


心配になった織姫が川に行くと笹舟を作った後の竹が河原に落ちていました。


織姫はその笹を持ち帰り家の人に報告しました。

彦星は今も見つかっていません。


織姫は毎日のように笹を持ち、河原に行き、笹舟を作りました。

笹舟に彦星が帰ってきますようにと書いた短冊を乗せて流しました。


深い悲しみに暮れていたある日、河原にいる織姫に話しかける人がいました。

「これを流したのは君かな?」

手には短冊が握られていました。

「はい。」

「そうか。良かった。随分、前に上流から流されてきた少年がいたんだ。」

「えっ!?」

「あの後、川に行ってこの短冊を見つけたんだ。」

「彦星は生きてるんですか!!」

「生きているよ…ただ…」

「ただ??」

「流れてきた時以来、意識が戻らないんだ。」

「それでもいいです。会わせて下さい。」

「分かった。」


「彦星!!!!良かった。」

二人はようやく再会することが出来ました。

織姫はそこから毎日、笹舟を持ち看病に行きました。


7月7日のことでした。

「あれ!?ここは??やけに笹の臭いがするな、あっ織姫!!!」

「…」

「どうしたの??」

「良かった。良かった。」


二人は幸せに暮らしました。


それ以来、願いを込めた短冊を笹につけると願いが叶うと言われるようになりました。


もちろん、すべて創作ですので。