こんな国語の問題があったら面白いなと思って作ってみました。

「3対1のバレンタイン」


「バレンタインはチョコレート会社による陰謀だとかよく言うけどそれってモテないやつのひがみだよな。」

毎年、鞄に入りきらないほどの女の子からの贈り物をもらう拓巳が言う。

「はいはい、どうせ俺らは陰謀説を唱えてますよ。なあ剛。」と毎年少しだけ贈り物をもらう慎吾が言う。

毎年、親族にしかもらわない僕は「そうだな。」と慎吾にあわせる。

よく周りに何であの二人と一緒にいるんだろうと言われるが僕もそう思う。

二人は学校の身分階級の中で間違いなく貴族に入る。

拓巳はサッカー部のエース。

慎吾はキャプテン。

僕はベンチ入りすら出来ない補欠。

学校は完全に身分社会で出来上がっていて階級が変わることはほとんどない。

僕の場合は二人と一緒にいるという理由だけで平民の下のほうに存在していられる。

本来は平民にも入れない。

三人で一緒にいるのはたまたま親同士が仲良く近所に住んでいたことそして・・・

「どうせまた明日のこと、話してたんでしょ。心配しなくても私があんたらの分は恵んであげるよ。」

もう一人の隣人の智美がいるからだ。

僕たちは3人とも智美が好きだ。

お互いに話したことはないがきっと間違いなく智美が好きだ。

智美の両親は小さなころに離婚し母親と一緒に僕らの近所に越してきた。

世話好きの僕の母親が強引に智美を誘い、よく家で過ごすようになり家にいつも遊びに来てた拓巳と慎吾とも仲良くなった。

そのころは僕の家に遊びに来ることが多かったので智美と1番仲が良いのは僕だなんて勝手に思っていた。

今は僕以外の3人プラス僕といったほうがいい。

智美はバレー部のエースとして堂々と貴族に所属している。

「お前にもらわなくても大丈夫だよ。」と拓巳が素っ気なく言えば、

「ありがたき幸せ。」と慎吾がおどけてみせる。

「そんな言い方していいのかな。今年は剛だけにしてもいいんだよ。」と智美が言う。

僕はいつものように笑いながら「僕だけなんて不公平だよ。」と言う。

拓巳と慎吾は「さすが剛!」と声を揃える。

智美が僕のことを好きになるなんてきっと想像していない。

確かに僕も智美が僕と歩く姿なんて想像できない。

それでも僕は僕だけに贈り物をくれることを期待してしまう。

智美は3人の中に好きな人がいるんだろうか。


Q、智美は誰が好きであって欲しいですか?

2月14日の智美の行動を想像して書いてみてください。


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